詰まった卵管の通過性を改善させ、自然妊娠の可能性をもたらす治療法
卵子と精子が出会い受精する場である卵管に異常があった場合、自然妊娠が難しいことが予想されます。しかし、子宮卵管造影(HSG)検査で卵管が詰まっている、細くなっていると言われたからといって、すぐに自然妊娠を諦めて体外受精を行わないといけないということはありません。この卵管鏡下卵管形成術(FT)は、そのような卵管の状態を改善し自然妊娠の可能性をもたらす治療法のひとつです。
日帰り手術が可能で、健康保険が適用になります
手術のひとつになりますが、入院の必要はありません。軽い麻酔をかけますが、半日で帰宅することができます。
手術適応
子宮卵管造影検査で、片側あるいは両側の卵管閉塞または狭窄が確認された場合に行います。子宮に近い側の間質部、峡部で閉塞がみられた場合は手術適応となりますが、膨大部での閉塞の場合は手術の適応にはなりません。
手術を行う時期と予約について
手術を行う時期は、月経終了後から排卵までの期間です。手術当日までは避妊が必要になります。月経が開始してから、来院して頂き手術日の日程相談をします。
手術当日の来院時間について
午前中の手術になります。
9:30~10:30の間に来院していただきます(当日の手術件数で来院時間が変更になる可能性があります)。
麻酔について
静脈麻酔下で行います。
手術時間について
手術室に入ってから約10~15分で終了します。
※来院されてから準備、手術、手術後の状態確認、手術後の説明、帰宅されるまでの所要時間は約2~3時間です。
費用について
片側:約14万円
両側:約28万円(健康保険3割負担の場合)
卵管鏡下卵管形成術(FT)は健康保険適用の手術です。また高額療養費制度の対象となりますので、現在マイナンバーカードの健康保険証以外の方は、事前にご自身で申請していただき、手術当日までに限度額認定書をご用意ください。自己負担額は個人の所得に応じて異なります。生命保険の種類によっては手術給付金を受け取ることも可能です。
卵管鏡下卵管形成術(FT)の実際
- 膣から子宮へ、内視鏡(卵管鏡)を内蔵した細い管(カテーテル)を挿入し卵管の入口に近付けます。
- バルーン(風船状の管)を少しずつ膨らませながら、卵管の中を通していきます。詰まっている部分や、狭くなっている部分を拡げていきます。
- 卵管の通りが改善した後、卵管鏡で卵管内の状態を確認します。