検査

治療を始める前には不妊の原因を解明するために、検査をおこなっていきます。
不妊症の原因は女性側、男性側、またその両方に原因がある場合もあります。
そのため、不妊治療の検査はご夫婦そろって実施する必要があり、実施時期についてもご夫婦足並みをそろえて実施することが重要です。

初診時に実施する検査(保険診療)

※希望者のみ:HPV(子宮頚がんウィルス)
初診時に行う検査は、一般状態のチェックのための検査です。

不妊の基本検査

※他院や健康診断での結果を持参していただくと、その検査を除外することもできます(ただし、1年以内のデータのみ有効)。

月経周期に合わせて、順次、不妊の基本検査を行っていきます。

血液検査

月経中ホルモン値 FSH・LH・E2(月経初日~5日目までに実施)

卵胞発育開始の時期にホルモンの検査をすることで卵巣機能を調べます。

高温期ホルモン値 E2・P4(排卵後1週間~10日前後)

高温期に超音波検査で排卵後であることを確認してから実施します。
受精卵の着床を助け、妊娠維持に必要なホルモンに異常がないかを調べます。

乳汁分泌ホルモン PRL(月経中または高温期いずれかで同日実施)

PRLが高値で排卵を抑制する場合があり、内服による治療が必要にあることがあります。

抗ミュラー管ホルモン(AMH)

卵子の残りがどれくらいあるかを数値で予測します。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)

異常があると不妊の原因となったり流産の原因になったりします。
コントロールのため内科にご紹介、数値が安定してから妊活治療開始となります。

ビタミンD

骨や歯の形成のために必要な栄養素です。妊娠においては着床環境を整える効果があると言われています。

葉酸

水溶性のビタミンB群の一種です。不足すると胎児の「神経管閉鎖障害」の発症リスクが高まります。

亜鉛

必須微量ミネラルの1つです。不足すると女性ホルモンが減少し、卵子の成長が妨げられることで月経不順や不妊症を引き起こす可能性が生じます。

抗精子抗体

女性の血液中の精子の運動性を阻害する抗体がないかを調べます。陽性の場合はその程度により治療方法を選択します。

フェリチン(適宜行う検査)

フェリチン値が低い(貯蔵鉄量が少ない=隠れ貧血)方では、卵子の染色体異常が増え、不妊や流産の原因になると言われています。

超音波検査

超音波検査は卵巣内の卵胞の発育程度を知ることができ、排卵日を正しく推定することができます。タイミング療法や人工授精を実施する時期は超音波検査での所見をもとに決定します。
また、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などの異常がないかを確認します。

精液検査

精液検査は、射出した精液の量、精液中の精子濃度や運動している精子の濃度、正常な形をした精子の割合を調べる検査です。
2日~5日程度禁欲をした後、予約時間から約3時間以内にマスターベーション法で精液を容器に採り持参して頂きます。
検査前に、精液を採取する専用の容器をお渡ししています。

自宅での精液採取が難しい場合は、当クリニックに採精室もございます。
採精室のご利用を希望する場合は、検査予約の際にお申し付けください。

不妊は、約半分の割合で男性側に原因があるといわれています。
もし、奥さまの検査で異常が発見された場合でも、精液検査が実施されていなければ治療方針が決定できない場合もあります。通院を開始したら、できるだけ早めに精液検査を受けることをおすすめします。

WHOの精液検査の基準値(2021年)を参考に、治療方針を判断します。

精液検査の基準値

精液量 1.4ml以上
PH 7.2~
精子濃度 1600万/ml以上
運動率 前進する精子が42%以上
正常形態率 4.0%以上

精液所見の分類

正常 精液検査の正常値を満たす場合
乏精子症 精子濃度が1600万/ml未満
精子無力症 前進する精子が42%未満
奇形精子症 正常形態率が4.0%未満
無精子症 精液中に精子がない
無精液症 精液が射出されない

高度精子機能検査

  • 精子DNA損傷検査

    精子の質を調べます。精子の中のDNAの損傷レベルが高いほど、妊娠しにくくなると言われており、生活習慣や治療方針の見直しなどが必要となります。

  • 精子抗酸化力検査

    DNA損傷の原因の一つとなる酸化ストレスに対する、抵抗力を調べます。精子抗酸化力検査は精子DNA損傷検査を同時に受けていただく必要があります。

フーナーテスト

性交当日または翌日に、子宮入り口付近の粘液中に動いている精子がいるかを確認する検査です。
内診台に上がった際に、粘液を採取します(痛みはありません)。
※フーナーテスト予約日の前日夜または当日朝に性交をもってください。

子宮卵管造影検査(HSG)

子宮卵管造影検査は子宮の中に細いチューブを挿入し造影剤を注入して、レントゲン撮影することにより子宮の形と卵管の通過性を調べる検査です。
卵管は、閉塞していても腹痛などの症状はなく、自覚することはできません。卵管の状態を確認せず、タイミング療法や人工授精を行っても、肝心の卵管が閉塞していれば精子と卵子は出会うことができません。そのため、タイミング療法や人工授精の前に、卵管の通過性を確認する必要があります。

当院では、初診時から体外受精を希望された患者さま以外の方にはこの検査を早めに実施していきます。

インターネットには情報がたくさん溢れており、子宮卵管造影検査が痛い、怖いという先入観をお持ちの方も多くおられます。
当院では検査前には詳しい説明を行い、検査当日は熟練した技術と、必ず看護師が付き添い安心して検査を受けていただけるよう配慮していますので、ご安心ください。

検査結果の例

正常例

片側卵管閉塞例

両側卵管閉塞例

濃い白い部分は造影剤が流れた場所です。赤:子宮 黄:卵管

子宮卵管造影検査の痛みについて調査(2022年1月~2024年4月)

※子宮卵管造影検査(HSG)の痛みアンケートに答えていただいた260名の結果になります。

気分不良で休んで帰られた方の割合

子宮卵管造影検査(HSG)で異常を指摘されたら

その他の検査

必要な方には、以下の検査を実施することがあります。

園田桃代ARTクリニック

大阪・北摂
(豊中、吹田、箕面、池田、茨木、高槻)
の女性医師による不妊治療

〒560-0082
大阪府豊中市新千里東町1-5-3
千里朝日阪急ビル3F

診療時間 日・祝
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(土曜15:00まで)
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15:00~18:30
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  • ◆休診日:日曜および祝日、火木土の午後
  • ※お子様連れでの診察枠もご用意しております。詳細についてはお電話にて問合わせください。
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