~月経について~

みなさん、こんにちは!院長の園田です。

9月中旬になりましたが毎日暑い日が続いており、少し外を歩くだけで汗だくになりますね。先日、うろこ雲らしき雲を見て一瞬秋も近付いたのかなと思ったのは気のせいだったのかもしれません。

しかし、季節の変わり目は突然やってきますので、変化に対応できるよう体調には気を付けないといけませんね。

今回は、基本的なことですが、月経について勉強してみましょう。

月経とは、「約1ヶ月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」と定義されています。

~月経のメカニズム~

まずは月経とは何がどうなって起こってくるのか?ということですが…

脳の下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されることで、卵巣にある卵胞が発育し、卵胞からエストロゲンが分泌されます。このエストロゲンにより子宮内膜は増殖し厚みを増していきます。そして卵胞が排卵直前まで発育すると、下垂体から黄体化ホルモン(LH)が分泌され排卵が起こります。排卵後の卵胞は黄体というものに変化し、黄体からエストロゲンとプロゲステロンが分泌され、子宮内膜は着床しやすい状態に変化します。その周期に妊娠していなければ、黄体は退縮しエストロゲン、プロゲステロンが急激に減少します。この急激なホルモンの減少により子宮内膜は剥がれ、月経血と一緒に排出されます。

このように月経は子宮の中だけで起こっている現象ではなく、脳からの指令、周期的なホルモン分泌がきちんと動いていることが重要となります。

~月経周期~
月経開始日から次の月経が始まるまでの期間を月経周期といいます。通常25日から38日が正常月経周期で、25日より短い場合は頻発月経、38日より長い場合は稀発月経と言われ月経周期異常になります。稀発月経を起こす疾患として多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が有名ですね。

~月経の持続期間~
通常の月経が3日から7日間になります。
1日で終わってしまうような出血は正常の月経ではない可能性もあります。また長期間にわたる出血も何らかの疾患が隠れている可能性があります。

~月経量~
正常な月経血量は20~140mlと言われています。計量カップで測れるようなものではないため、イメージが付きにくいかとは思いますが。
経血量が多い、いわゆる過多月経では、その原因をしっかりと調べることが重要になります。子宮筋腫がないか、子宮腺筋症がないかなど、超音波検査や場合によってはMRIなどでその原因を調べます。

私は過多月経なのか?という目安として、ナプキンを1時間おきに変えないといけない、昼間でも夜用ナプキンが必要、血液の塊が毎回出るなどが参考になります。

不妊治療をされている方はもちろんですが、毎月月経に付き合わなければいけない女性の皆さん、普段の自分の月経はどうだろうということを今一度見直してみてほしいと思います。

何らかの婦人科的疾患が隠れているのかもしれない、治療が必要な状態にあるのに気付いていないだけかもしれないなど、月経異常は婦人科を受診する充分な理由になります。自分の身体に注意を向けてみてください。

また月経中の痛み月経前の体調不良などは、我慢せずにお薬に頼ることも大事です。

治療中、いつもと月経が違う、周期的におかしいという場合など、気になることは診察の際に医師に必ず伝えてくださいね。不妊治療は、月経周期をもとにいろいろな検査や治療が進んでいきます。患者さんご本人の何かおかしいという情報は診療する上でとても重要な情報となります。不安点を一緒に解決していきながら、ともに前へ進んでいきましょうね。

                                                                                                                院長 園田桃代