貧血

「疲れやすい」「朝起きるのがつらい」などの症状は漢方外来でも頻繁に聞く症状の一つです。慢性的につらい思いをしている方も多いのではないでしょうか?

可能性のある状態として貧血(血液検査ではヘモグロビンの低下として示される)があります。

貧血と聞くと=鉄が足りない とすぐイメージされますね。貧血の原因は様々ですが、ここでは鉄不足の貧血(鉄欠乏性貧血)について書きたいと思います。

鉄分は食物から体内に取り込まれ、血液中の赤血球にあるヘモグロビンの重要な構成成分となります。しかし鉄分が不足すると、ヘモグロビンが産生されにくくなり、その結果、酸素を身体全体に十分に供給することができなくなり、疲労感、立ちくらみやめまい💫などの症状が見られるようになります。

鉄は摂取が足らないまたは体から出ていく事で必要量が不足します。

出ていくというのは簡単には出血ですね

怪我などで大量出血すれば一気に不足しますが、月経のある女性は、毎月の月経血によって鉄分が失われます。子宮筋腫なとで月経量が多い方は慢性貧血になりやすいです。

女性は必要な鉄の推奨摂取量は10.5mg/日と、男性の7.5mg/日よりも3mg/日多いとされます。一般的に食べ物からは1日10~15mgの鉄分を摂取するとされていますが、吸収されるのは約1mg程度で排泄物から1日約1mg排泄されます。栄養バランスの悪い食事や無理なダイエットを続けていると、鉄分不足が起こりやすくなります。月経がある女性は意識して鉄分を摂取しないと鉄不足鉄となりやすいです。

摂取不足の原因になり得るのは胃腸機能の低下も関係があります。単純な話ですが食欲がなく食べれない状況があると必然と必要鉄も不足します。

胃腸が悪く食べれず貧血になる場合貧血治療だけでは根本は解決されません。日頃から胃腸機能はきちんと保つことが不妊漢方治療において最も大事だと思います。当院漢方診療でも頻回処方の一つは胃腸機能改善を目的とした漢方薬です。

貧血気味の方は胃腸機能にも目を向けてみてくださいね。