みなさん、こんにちは!
院長の園田です。
夏も終わり、秋になりましたが、まだ蒸し暑い日があったり、突然の激しい雨が降ったりで、いい季節になったな~とは言えないですね。
ここ最近は、秋はどこへ行ったのだろうと毎年思っているような…
毎年、秋はいろいろな学会が開催され、日本全国いろいろな場所への学会出張も楽しみの一つとなっていました。
ここ最近はコロナにより中止になったり、オンライン開催になったりでしたが、今年ぐらいから、現地開催もされるようになってきました。
オンラインも便利ですが、やはり実際に現地でいろいろな施設の先生にお会いしたり、情報交換をしたりする方が、仕事をする上で刺激になりますもんね。
チョコレート嚢腫、子宮内膜症について
今回は、チョコレート嚢腫、子宮内膜症についてお話したいと思います。
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
以前、ブログでもお話しましたが、子宮内膜症は不妊症ととても関係のある疾患です。
子宮内膜症が卵巣にできるとチョコレート嚢腫という卵巣の腫れが起こってくることがあります。
不妊症の方の25-50%に子宮内膜症があると言われています。
子宮内膜症の症状にはどのようなものがあるのでしょうか…
一般的に、生理痛がひどい(月経困難症)、生理中の排便時の痛み、性交時の痛みなど、痛みに関する症状が多く言われます。
また無症状のこともあり、健診や何らかの理由で婦人科を受診したときに、子宮内膜症を指摘されることもあります。
それでは、子宮内膜症の治療は何があるのでしょうか?
大きく分けて、手術と薬物療法があり、その方の年齢や妊娠希望の有無などから、治療法を選択していきます。
子宮内膜症は月経を止めることが一番の治療になりますので、不妊治療においては、とにかく的確な診断、治療のもと、妊娠成立に向けて治療することが大事になります。
また、子宮内膜症の状態、重症度にもよりますが、手術を選択することもあります。
体外受精では卵巣から卵子を採取する、採卵術が必要になりますが、その採卵術の際にチョコレート嚢腫があることで、採卵が困難となり片側からは採卵できない、または採卵できても変性卵など卵子の状態が悪いなど、不利益になることが起こってきます。
手術することでチョコレート嚢腫がなくなり、十分な採卵数が望めたり、卵子の質が改善したりすることがあります。
手術となると、躊躇してしまうことも多いかと思いますが、手術をすることで、妊娠への近道になることは大いに考えられます。
また手術後、月経が再開すると、子宮内膜症は再発する可能性がありますので、手術後はなるべく早く妊娠成立に向け、積極的に治療を行うことが必要です。
現在、手術は腹腔鏡で行われることがほとんどで、入院日数も短く、術後の回復も早くなっています
当院で子宮内膜症、チョコレート嚢腫と診断し、手術をしましょうとなった場合、この北摂にはとても信頼できる腹腔鏡の得意な病院が多くありますので、術後は皆さん、とても綺麗な卵巣、骨盤内の状態になり、治療がスムーズに進みます。
子宮内膜症はしっかりと向き合いながら、的確に不妊治療をし、重症化、難治化させないことがとても大事です。
子宮内膜症があっても妊娠は充分に可能だということを知っておいてくださいね。
院長 園田桃代