今年4月より不妊治療が保険適用となり、当院でも、保険診療による治療が開始しました。
今回は、保険診療と一緒に受けることができる、当院で実施している先進医療についてご紹介したいと思います。
先進医療とは?
先進医療とは、
厚生労働省が定める高度医療技術を用いた治療のうち、保険適用になっていないものを指します。
日本の医療制度では、一定の有効性と安全性が確認された治療法のみが、保険の対象となる仕組みになっています。
先進医療は、将来的な保険導入に向け、有効性と安全性の評価を行う段階にある治療法、ということになります。
一般的に、保険適用外の治療を行う場合、全ての診療が自費診療の費用となります。
保険適用治療 + 保険適用外治療⇒ すべて自費
しかし、先進医療として認定された治療に関しては、先進医療の費用は自費となりますが、保険と同時に治療を行うことができます。
保険適用治療 + 先進医療 ⇒ 保険 + 自費
先進医療によって治療の選択肢が増え、より自身の治療経過に合った治療方法を選ぶことが出来るというメリットがあります。
当院でおこなっている先進医療
当院では、現在認定されている全ての先進医療を実施しています(2022/5/6現在)。
・タイムラプス培養
培養器内の胚を自動撮影し、より正確に胚の評価をします。
・ヒアルロン酸を用いた精子選択術(PICSI)
ヒアルロン酸を使って成熟した精子の選別をおこないます。
・子宮内膜着床能検査(ERA)
子宮内膜組織が着床に適した状態かどうかを評価する検査 ≫詳細
・子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)
子宮内に棲む細菌の組成を評価する検査 ≫詳細
・SEET法
胚の培養液を移植の数日前に子宮内に注入し、着床に適した環境を作る技術
・子宮内膜スクラッチ法
子宮内膜の修復過程で分泌される因子が、着床しやすい環境をつくりだすことを利用して、わざと移植前に子宮内膜に傷をつける技術
タイムラプス培養は、全ての症例で使用しています
以前、「機器紹介~タイムラプスインキュベーター~」でも紹介しましたが、
タイムラプスを使うメリットとして、以下の3点があげられます。
・安定した培養環境で受精卵の観察ができる
・受精を判断する前核の見逃しを防ぐことができる
・受精卵の発育過程を観察できる(参考:タイムラプスで撮影した映像)
以上のメリットから、当院では、全ての体外受精の症例でタイムラプス培養をおこなっております。
体外受精の費用に加えて、先進医療として、自費でタイムラプスの費用がかかります。
先進医療についてのご質問もお待ちしております
タイムラプス培養以外の先進医療に関しては、
治療経過によって、保険治療と組み合わせて提案をさせて頂きます。
各治療法について、保険診療のことなど、気になることがございましたら、
気軽にスタッフに相談してみてください。
また、保険適用に関する情報をまとめたセミナーも開催しております。
通院中でない方もご参加頂けますので、費用の目安や、制度の注意点について整理しておきたい、という方は、是非ご参加ください。
2件のコメント
コメントは停止中です。