みなさんこんにちは。
寒い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回は、男性外来について、お話ししたいとおもいます。
不妊の原因の半分は、男性側にあるといわれ、不妊治療はご夫婦二人で進めていく必要があります。そのため、当院では不妊治療を受けられるすべての男性の患者さまに、月に2回、男性外来での診察をおこなっております。
担当する医師は、乏精子症などの男性不妊症や、EDなどといった性機能障害を専門に長年診療を続けてこられた、男性の泌尿器科医です。
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基本的に、診察には男性医師のみが立ち会いますが、
エコー検査のときは、男性スタッフが補助につくことがあります。
診察ではどんなことをするの?
まず、ご自身の体について不安なことや、気になっていることをお聞きします。
検査用ベッドに横になって頂いた状態で、エコーで腎臓・膀胱・前立腺などを観察し、泌尿器科的なトラブルを抱えていないかチェックします。
次に、精巣の大きさや、精子の通り道に問題がないかどうかを触診によって調べます。
再びエコーで精巣の血流を調べ、精索静脈瘤などといった精子に悪い影響を与える原因がないかどうかチェックします。
精索静脈瘤とは?
精巣から腹部の方向へ戻るはずの「静脈」が逆流して、陰嚢の血管が膨らんで瘤(こぶ)のようになってしまっている状態です。
痛みや違和感などといった自覚症状はほとんどありませんが、
大きな瘤になっている場合は、お腹に力を入れたときに、陰嚢表面にボコボコと盛り上がっている部分として見える場合があります。
血液が逆流することで精巣の温度が上がり、血液が瘤に滞ることで低酸素状態になります。
そのため、精子の濃度や運動率が低下したり、精子のDNAにダメージを受けるため、男性不妊の原因となります。
精索静脈瘤があると、加齢とともに徐々に精巣機能が悪化していくため、男性の2人目不妊の原因の約8割が、この精索静脈瘤ともいわれています。
精索静脈瘤があり、精液の状態が芳しくない場合は、精巣の結紮(血管の一部を縛る)手術をすることで、改善がみられる場合があります。
エコー検査では、精巣内部の血流を確認し、この精索静脈瘤がないかどうか、検査をおこないます。
男性が日常生活で気をつけることは?
男性外来の診察の際に、「検査以外で、男性側が協力できることはありますか?」といった質問をよく頂きます。
日常生活で気を付けるポイントについて、男性不妊セミナーの動画でも配信しておりますので、ご興味のある方はクリニックHPよりお申込みいただけたらと思います。
また、こちらのページもぜひ参考にして頂けたら嬉しいです。
桃クリブログ「精子のためにできること」
お悩みの方は培養士外来・ナース面談もご利用ください。
当院の精液検査は、胚培養士が実施しております。
精液検査の結果や、不妊治療について、素朴な疑問やなかなか相談できず悩んでいることがありましたら、診察の待ち時間などに培養士外来やナース面談をご利用ください。
(これまでの質問例について 桃クリブログ「男性外来~個別相談について~」)
少しでも不安を解消して、ご夫婦でスムーズに治療に臨んでいただけたらと思います。
培養士 川本