みなさん、こんにちは!
旅行も行けず、大勢で集まることもできず、手がカサカサになるほど頻繁に手を洗わなくてはならず・・・と、
もう腹立つ~!!
という毎日が続いていますが・・・
コロナと共に生きていかなくてはいけないこの時代、誰もが憂鬱になることもあるかと思います。
私も最初は、なんでこんなことになったんだろう、いつになったら終わるんだろうとネガティブな感情をたくさん持っていました。
もちろん今も、できないこと、また、しなくてはいけないことなど、いろいろと生活に制限がかかり、本当に悔しく思いますが、今は随分と、これからの明るいこと、楽しいことを考えられるようになってきました。
毎日の生活、気持ちの持ちよう一つで見える景色も変わってきます。
ネガティブな感情に埋もれていると、知らず知らずに損をしている状況になりますもんね。
今では、乾燥して痛痒かった手も、洗浄液、アルコールにも強くなり、完全に今の環境に適応してきました。
人はさまざまな環境に適応できる能力が備わっています。withコロナの生活、この時代を、共に前を向き乗り越えていきましょうね。
今回のブログでは、多嚢胞性卵巣症候群=PCOSについてお話したいと思います。
卵巣の中には生まれ持った卵子があるということを以前のブログ『卵の在庫!!』でもお話ししたかと思います。
卵の在庫はAMHで調べることができますが、
PCOSの場合、AMHがとても高い値を示します。
すなわち、PCOSの方は卵巣にたくさんの卵子を持っているということです。
ホルモン検査では、AMHの他に、LHとFSHの値が逆転している(通常はFSHの方が少し高い値になります)という特徴もあります。
また、PCOSでは血糖値を下げるホルモンのインスリンも関係しているといわれており、インスリン抵抗性という状態になることで、男性ホルモンが増えます。
男性ホルモンは卵胞発育を抑制し、卵巣の外側の膜を厚くすることにより卵胞が外に飛び出す=排卵が起こりにくくなります。
エコー検査においては、卵巣の中にある小さな卵胞(卵子の入っている袋)がたくさん映り、一見、卵巣がネックレスのように見えることもあります。
卵子がたくさんあるのは一見、妊娠に有利なように思えるかもしれませんが、PCOSの不妊治療は難しい面もあります。
PCOSでは、
たくさん卵子があってもなかなか卵胞が発育せず排卵まで至らず、いつ排卵が起こるかわからない、
場合によっては無排卵のままで月経様の出血がおこることもしばしばあります。
そのため、
クロミフェンなどの排卵誘発剤を使用することが多いのですが、これがまた難渋します。
内服の排卵誘発剤の効きが悪く、また強めの注射薬を使うと効きすぎたりと、卵胞発育、排卵のコントロールがとても難しいのです。
タイミング療法や人工授精では、排卵の個数や受精する卵子の個数、着床する受精卵の個数まではコントロールすることができません。
そのため、排卵誘発剤が効きすぎて、たくさん排卵しそうな状況では、避妊指導をしたり、人工授精を中止したりということが起こってきます。
PCOSの不妊治療においては、排卵誘発剤の使い方ひとつにしても、工夫が必要になってきます。
では、タイミング療法や人工授精からステップアップして体外受精になったり、卵胞発育がなかなかうまくいかず体外受精に移行したりと、PCOSの方が体外受精を行う場合には、どのような問題が起こってくるのでしょうか。
ご存じの方も多いかと思いますが、PCOSでは、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という状態を起こしやすくなります。
排卵誘発剤が効きすぎて、卵巣が腫れ、腹水が溜まったり、重症になると血栓を作ってしまったりする病態です。
そのため、体外受精においても排卵誘発剤の種類、方法も工夫する必要がでてきます。
また、PCOSの方の体外受精においては、たくさんの卵子が採れて、受精卵がたくさんできたとしても、質の良くないものが多く妊娠の可能性のある受精卵が少ししかできなかったということもあります。
PCOSの方だけではなく、体外受精ではいかに質の良い卵子が採れるかということが良い結果に結びつくため、卵巣機能が悪く卵子が少ない方と同様、卵巣機能の良いPCOSの方でも複数回の体外受精が必要となることもあるのです。
しかし、
PCOSの方は、妊娠につながる可能性のある卵子を充分に持っていますので、
焦らず、また時にはステップアップする勇気を持ちながら、前向きに治療に臨んでください。
それと、
9月1日に当クリニックホームページをリニューアルいたしました。
10年前の9月1日に当クリニックは開院しました。
早いものでもう10年。
これからも一人でも多くの皆さんの力になれるようスタッフ一同、頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします!
院長 園田桃代
1件のコメント
コメントは停止中です。