いよいよ2025年がスタートしました。例年暖冬と言われているなかで、昨年の12月から一気に寒くなり、今年はかなり寒い冬を過ごされていると思います。インフルエンザ等の感染症が蔓延していますので、体調や感染に十分ご注意いただきお過ごし下さい。
さて今回は、これから妊活を始めようと考えている方についてお話したいと思います
前回の投稿と重複した内容もあるかとは思いますが、不妊治療開始前にできることとしてお話させていただきたいと思います
「妊活」… 妊娠活動 妊娠に向けた体作り、夫婦で妊娠に向けた生活を送ること。
「妊活」という言葉はもう世の中では広く根付いた言葉になっており、この言葉については、ほとんどの方は分かっていると思いますが、では一体何から始めたらいいのでしょうか?
妊活を始めたいと思ったら… やるべき事は。大きく3項目取り上げたいと思います。
- 妊娠についてパートナーと話し合う
- 妊娠についての正しい知識をつける
- 自分のからだを把握し、妊娠に向けたからだづくりを行う
パートナーと妊娠に向けて話し合う。 とは
妊活はパートナーと2人で取り組むことが大切です。もちろんパートナーの協力も必要です。そういった意識を、妊活を開始する時に2人で確認し合っておきましょう。
また、
- いつ頃、子供が欲しいのか
- 何人くらい子供を希望するのか
- 自分たちでどれくらい頑張ってみるのか
- 不妊治療も考えているのか。どのくらいの期間で妊娠ができなければ治療を始めてみるのか
- 出産後の生活について
などを、しっかり決めておくことで、いざ不妊治療や検査が必要になった場面ではお互い納得してスムーズに進めていく事ができ、共に困難を乗り越えていくことで、その後の生活にもいい影響をもたらすのではないかと思います。
妊娠についての正しい知識をつける。とは
妊娠とはどういう機序で成立するのでしょうか?
妊娠の仕組みについて…簡単に説明していきたいと思います。
・排卵:ホルモンの分泌によって女性は月に1回、卵巣で成熟した卵子が1つ排卵されます。
排卵された卵子は精子と出会うため、卵管へ移動します。
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・性交:排卵に合わせて性交を行うことで、性交により射精された精子は卵子と出会うために、子宮頚 管から子宮を通過し、卵子の待っている卵管を目指します。
1回の射精で放出される精子は数千万~数億個と言われていますが、ほとんどは卵子と出会う前に死滅してしまい、卵子の目前まで行けるのは数十~数百個と言われています。
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・受精:卵管までたどり着いた精子がタイミング良く卵子と出会い、受精が成立すると受精卵ができます。1つの卵子と受精できる精子は1つだけです。
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・着床:その後、受精卵は成長しながら、卵管から子宮へ移動します。子宮内に到達した受精卵は受精後7日目には子宮内膜にもぐり込み着床します。
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・妊娠の成立:着床することで妊娠が成立します。その後ママの子宮の中で成長し約10か月後に赤ちゃんが誕生します。
このような受精から着床までの一連の流れは、奇跡とも言える偶然の繰り返しで、すべてのタイミングが合うことで、ようやく赤ちゃんと出会うことができます。
妊娠の過程は複雑で、どこかにひとつでも障害があると、妊娠しづらくなります。
妊娠についての知識を深めたい、不妊治療や検査について詳しく知りたいと思われる方は
妊活応援セミナーをお勧めしています。
自分のからだを把握し、妊娠に向けたからだづくりを行う。とは
・まず始めてみよう!基礎体温の測定
基礎体温とは安静時の体温のことを指し、起床後すぐ体を動かす前に測る方法が基本です。
舌下で測定する婦人体温計を使用し、だいたい決まった時間に毎日測定します。
継続的に基礎体温を測定・記録することで、自分の月経周期の把握と排卵日の予測ができ、妊娠しやすいタイミングを見つけやすくなるとともに、ホルモンによって起こる体の変化などが分かる事もあります。
・基礎体温だけでは分からない自分の身体を知るための検査もできます。
不妊治療は現時点で考えていないが、検査して自分たちの身体を調べてみたい。という方にはプレコンセプション検査を受けることをお勧めします。パートナーと2人での検査も可能です。検査を受けたうえでこれからの妊活の方向性を医師と相談することもできますよ。
・妊娠前からできるからだ作り
- 適正体重の維持
妊娠に適したBMIは「22」と言われています。
特に肥満(BMI 25以上)は不妊の原因となることが知られています。
脂肪からエストロゲンが産生されることで排卵障害を引き起こしやすくやすくなり、薬剤への反応が悪くなることもあります。
また、妊娠後も妊娠糖尿や妊娠高血圧症候群、血栓症などハイリスクが生じる可能性が上がり、分娩時には母体や胎児の健康に影響を及ぼすこともあります。
健康な体で妊娠・出産するために適正体重を維持するよう心がけましょう。 - 葉酸や栄養素の摂取
葉酸は、水溶性のビタミンB群の一種で、細胞の生産や再生、分裂や成熟に大きく関わり、赤ちゃんの脳や神経の発育にも影響をおよぼす栄養素です。
妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んに行われ特に神経管(脳や脊髄)が形成される時期なので、この時期に葉酸が不足していると、脳や脊髄の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクが高まることが分かっています。
妊活中から意識して摂取することが大切です。特に妊娠の1ヶ月以上前からの摂取が望ましいと言われています。
食事で十分な量を摂取することはかなり難しいので、食事から撮る葉酸以外に栄養補助食品(サプリメント)からの摂取が推奨されています。
また趣味を持つことや人と話すなど、自分に合った方法でストレスを発散する時間を作ることも大切です。適度な運動をすることが適正体重維持やストレス発散になることもあります。
気負わず自分なりの方法で始めてみてはどうでしょうか。
これから妊活を考えている方へ少しでも役に立てればと思います。