こんにちは、培養室です。
今回は移植前、全症例に行っているAHAについてお話したいと思います。
まず、胚は受精すると胚盤胞になり、孵化が起こり、子宮内膜に着床、妊娠が成立します。
卵の成長の様子は以前紹介したブログに掲載していますので、もしよろしければご覧ください。
当院ではこの孵化が起こりやすいように移植する胚すべてにおいてAHAを実施しています。AHAには大きく三種類の方法があります。
①レーザーアシストハッチング
レーザーアシストハッチングは当院でも行っており、簡易で安全性の高い方法です。
透明帯にレーザーを当て、透明帯を薄く、穴をあけたりすることで孵化がしやすくなります。
②PZD法
針状のピペットを用いてAHAをする方法です。透明帯と胚盤胞本体の隙間に穿刺をしてT字切開します。
③化学式アシストハッチング
酸性の溶液を用いて透明帯を溶かし、薄くする方法です。薬剤による胚のリスクが懸念されているため、現在はあまり実施されていません。
AHAによって胚の透明帯を薄くしたり、穴をあけたりすることで孵化がしやすく妊娠率の向上につながります。
余談ですが、胚の向きが良ければ、移植する前にお渡ししている報告書にAHAの部分が写っていることもあります。また機会があれば見てみてください。
何かわからないことがあればいつでも質問してください。