先日、パートナー(株)主催の子宮内細菌叢とラクトバチルスについての医療者向けのzoom講演会に参加しました。
以前は子宮内の細菌は少ないので、子宮内は無菌と思われていましたが、ゲノム解析の進化により微量の細菌叢もわかるようになりました。
子宮内細菌叢の発見
2015年アメリカで子宮内に細菌フローラがある事を発表、翌年には米スタンフォード大が子宮内のラクトバチルス菌の割合は、体外受精の成績と相関関係があると発表しました。
子宮内にラクトバチルスの割合が高い人のほうが妊娠率が高く生産率が高いというものです。
ラクトバチルス菌とは
ラクトバチルス菌とは乳酸菌の一種で、子宮内や膣内を酸性に保ちます。
子宮内に悪玉菌が多くなると、慢性的に炎症を起こして、慢性子宮内膜炎や、膣炎を引き起こす原因になる可能性があるといわれています。
実際の臨床現場より
当院でも反復着床不全の方には情報提供を行い、検査希望のある方には子宮内細菌叢の検査や慢性子宮内膜炎罹患の有無の検査を行っています。
結果は皆さんそれぞれです。
悪玉菌は多いが、慢性子宮内膜炎にはなっていない方。
善玉菌も悪玉菌もいない方。ほぼ無菌状態の方。
悪玉菌は少ないもしくはいないが、慢性子宮内膜炎になっている方。
今回の講演会でも言われていましたが、子宮内細菌叢が子宮内膜にどのように影響するのかは、まだわからない事だらけだそうです。
ただ治療としては、悪玉菌が多い方には抗菌剤治療、ラクトバチルス配合の乳酸菌サプリとラクトフェリンサプリをおすすめしています。
以前のブログ妊活中から子宮内フローラを整えようでも紹介しましたが、ラクトバチルス配合乳酸菌サプリやラクトフェリンは身体に悪いものではないので、妊活中から積極的にとって、普段から子宮内、膣内の状態をよくしておくのもひとつです。
ただ、サプリメントは医薬品ではないので、中には粗悪品もあるようです。どのように製造されているのか、製造元や販売元などをしっかり確認してから使用する事をおすすめします。