子宮卵管造影検査(HSG)について

こんにちは。今日は子宮卵管造影検査(HSG)についてお話します。

HSGとは?


子宮卵管造影検査とは、造影剤を用いてレントゲン撮影をすることにより、卵管の通過性と子宮の形態異常がないかを調べる検査です。卵管は卵子と精子が出会って受精するためにも大切な場所です。不妊原因の2割が卵管因子と言われており、両側の卵管が閉塞していると卵子と精子が出会うことはできません。
その場合は、FT(卵管鏡下卵管形成術)を受けるか、体外受精を行うか治療方針を検討していくことになります。当院ではタイミング療法や人工授精からの治療予定の方は、ご夫婦の基本検査終了後にHSG(子宮卵管造影検査)を受けていただいています。
また、検査時に卵管に造影剤が通過するため、卵管の通りが良くなり、検査後数カ月間は妊娠しやすくなるとも言われています。

HSGって痛い?

しかし、初診時にこの検査についてご説明をすると、「ネットで調べると、痛い検査と出てくるので怖い。」「以前、別の病院で受けた時に痛すぎてトラウマになってしまった。」「検査中、迷走神経反射を起こしてしまった。」等不安を訴える方が多い印象です。
迷走神経反射とは、長時間の同じ体勢、不眠・疲労・強い痛み・恐怖等の精神的ストレスがきっかけとなり、心拍数の減少と血圧低下を引き起こすことで、一過性の意識消失発作(失神)を発症する事もあります。その為、検査前はしっかり睡眠をとって体調を整えた状態で来院していただき、検査中はできるだけリラックスした状態で受けていただくことが、迷走神経反射予防のためにも大切となります。


HSG痛いかもしれないポイント


検査中の痛みに関してですが、確かに検査中生理痛のようなズンとした痛みを伴うポイントが2か所あります。まず、造影剤を流すための細くて柔らかいチューブを膣から挿入し子宮内に固定するのですが、チューブが抜けないよう1.5ml程の生理食塩水をチューブ内へ注入し、子宮内で小さな風船のように膨らませます。その際に、生理痛のような痛みや下腹部が張ったような違和感を感じる方もいらっしゃいます。

2回目は造影剤を注入する際です。内診室でチューブを挿入し固定した後、レントゲン室へ移動し造影剤を流してレントゲン撮影をします。その造影剤が卵管を通過する際に生理痛のような痛みや下腹部が張ったような違和感が生じます。ただ、痛みの感じ方は人それぞれですので、必ずしも上記ポイントで痛みを感じるわけではありません。

安心してHSG検査を受けるために


当院では検査に使用する造影剤は水溶性の造影剤を使用しています。水溶性の造影剤は油性の造影剤に比べて、体内に残留することなく翌日には排泄され、痛みも少ないと言われています。検査時は医師、看護師がお声かけをしながら慎重に検査を進めていきますので、検査後患者様からも「思っていたより痛くなかった。」「前にした時よりリラックスしてできた。」とお声をいただいています。
ちなみにですが、ヨード系造影剤を使用した検査ですので、ヨードアレルギーのある方は事前に医師との診察時にご相談ください。

患者様が安心して、できるだけリラックスした状態で検査が受けられるようサポートいたしますので、
インターネットの情報で過度に心配なさらず、安心して受けていただけたらなと思います。その他にも、検査について質問や不安に思う事があれば、医師、看護師にいつでもご相談くださいね。

以前もHSG(子宮卵管造影検査)を受ける心構えについての記事を掲載していますので、宜しければこちらもご参照下さい。