皆さん、こんにちは。外を歩いていると、どこからか金木犀の良い香りがしてきて、季節はすっかり秋ですね。秋といえば、食欲の秋、芸術の秋など様々ですが、皆さんはどのような秋をお過ごしでしょうか?
今回は妊活中こそ鉄分が欠かせない!というテーマで、鉄分の重要な働きと効果的な摂取方法をお話したいと思います。
女性の体には月経があるため、もともと鉄分が不足しがちだといわれています。鉄は血液の中でヘモグロビンとして働き、全身の細胞や組織に酸素を運んだり、細胞の呼吸を助ける重要な役割を担っています。また、赤血球をつくるのに必要な栄養素で、活性酸素を分解する酵素の原料となって抗酸化に働きます。酸素を体中に運ぶとともに、子宮内の内膜を作る働きもあります。
妊活と鉄分の深い関係性
女性の体では、卵胞ホルモンや黄体ホルモンといった女性ホルモンが、生理の周期に合わせて変動しながら分泌されています。鉄分が不足すると女性ホルモンの分泌や合成が滞ります。またヘモグロビンによる酸素の運搬ができなくなります。体内の酸素不足+分泌が滞り、子宮内膜が成熟しないという事態が起こります。さらに、鉄分は卵細胞の成長に必要なため、不足すると育ちにくくなったり、質にも影響を与えることもあります。つまり、鉄分不足は貧血を引き起こすだけではなく、血行不良や子宮内膜が薄くなる影響で、受精卵が着床しにくくなってしまい、妊活中の女性が最も避けたい“妊娠力の低下”にもつながってしまうのです。また、鉄分は胎児の成長にも欠かせない栄養分です。
ヘム鉄を意識的に摂る
食品に含まれる鉄分は、主にヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、それぞれ含まれている食品や吸収率に違いがあります。ヘム鉄の吸収率は25~40%、非ヘム鉄は5~10%で、ヘム鉄のほうが吸収率が良いことがわかっています。そのため、レバーや赤身肉、カツオやマグロの魚などの動物性たんぱく質に多く含まれるヘム鉄を意識的に摂ることが大切です。肉だけでなく、魚もバランスよく摂るようにしましょう。
ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂る
非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ると、吸収率がアップします。非ヘム鉄が多く含まれる、ほうれん草や小松菜、海藻類は、ビタミンCの多い野菜や果物と一緒に摂るようにしましょう。ほうれん草や小松菜は、たんぱく質の卵と一緒に炒めるのも良いでしょう。
タンニンと一緒に摂らない
コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるタンニンには、非ヘム鉄の吸収を阻害する作用があります。タンニンを摂らないように気をつけるか、タンニンの影響を受けにくいヘム鉄を摂るようにしましょう。
サプリメントを利用する
鉄不足の解消には、サプリメントの利用も効果的です。
鉄分が不足すると、妊活に悪影響を与えると同時に、手足の冷えや不眠などの原因にもなります。妊活をスムーズに進めるだけでなく、心身の健康を守るためにも、意識的な鉄分補給を心がけるとともに、妊娠しやすい子宮内膜を育てるために、そして赤ちゃんの成長を促すために、妊活中からしっかり鉄分を補給しておきましょう。