男性外来はマスト

毎日暑いですね。夏バテにならないように気をつけましょうね。
今回は当院で行っている、男性外来のお話です。

不妊原因の約半数は男性側にあるといわれています。 
当院では不妊治療に来られた方には、精液検査の結果に関わらず、男性外来で泌尿器科医師による診察を勧めています。

男性外来の診察では、不妊治療している男性の約40%に疑いがあるといわれている精索静脈瘤の有無や、腫瘍などの有無を確認しています。

他に乏精子症や精子無力症など原因は様々ですが、治療することで精子の状態がよくなることもあります。
男性不妊と漢方薬 
精子の運動率改善には漢方薬の長期服用が有効 
精子のためにできること

男性外来の診察について

診察では男性泌尿器科医師による問診、視診、触診、超音波検査を実施しています。

問診では性機能(勃起や射精、性交渉など)について問題がないか、持病や内服薬の影響がないかなども確認します。
EDがあれば、血圧など問題がなければED薬を処方することもあります。
射精の問題はデリケートなので、妻は射精出来ていない、性交渉ができない、と問診票に書いていても、夫は問題ないと答えられるケースもよくあり、妊娠に対するプレッシャーから排卵日だけEDになる方もいます。
またマスターベーションでの射精は問題なくても、性交渉では射精できないこともあり、治療の希望を聞きながら男性医師が相談にのります。

視診、触診では精索静脈瘤がないか、精巣腫瘍の有無など診察します。

超音波検査ではさらに詳しく精索静静脈瘤がないか、あればどの程度か、手術適応かなどみていきます。また尿検査で異常があれば、腎臓の状態をみることもあります。

精液所見に問題がなくても精索静脈瘤がある方もいます。精索静脈瘤があれば精子のDNA損傷の原因になることもあります。精子のDNA断片化検査

高度精子機能検査で精子DNA損傷の割合が高かったり、酸化ストレスへの抵抗力(抗酸化力)が低い場合は抗酸化剤の処方や抗酸化サプリメントを推奨したりします。男性用妊活サプリメントについて
今は精液所見に問題がなくても、今後精液所見が悪くなる可能性もあるので、注意深く見ていく必要があります。

また先日、精液所見も問題なく、何も自覚症状のない方に精巣腫瘍がみつかりました。すぐに総合病院紹介となり片方の精巣全摘する手術となりました。幸い転移もなく、不妊治療も続行しています。

男性外来は精液検査に問題がなければ受けなくてもいいのではないか、仕事で忙しいからわざわざ休みをとってまで行く必要があるのか、診察をうけるのが恥ずかしいなど、思うところは色々あるかもしれませんが、通常の健康診断などではなかなか見てもらえない部位です。通院している方以外も診察をうけることはできます。男性外来は健康診断と思って自分のために、またパートナーの為にも是非受けて下さいね。