精子にとっても厳しい真冬の寒さ

こんにちは。培養室です。あけましておめでとうございます。

年が明け、早くも半月が過ぎました。
2023年は卯年ということで、うさぎは寂しいと死んじゃうという話ですが、実際には弱っているところを敵に気づかれないよう一人の時に急に死んでしまうというところからきた噂だそうです。特に寂しがりというわけではないんですね。

さて、1月に入り冷え込む日がますます多くなりましたが、精子は温度変化に弱いということはご存じでしょうか。

当院の患者様にも、冬場に精液を持参する際は容器をタオルなどにくるみ、可能であれば服の中に入れてお持ちいただくようにお願いしております。

実際に夏と冬との精液検査の値を比較してみると、冬は夏に比べて運動率が10~20%低いという結果が報告されており、以前に当院で収集したデータでも、平均気温が15℃以下の期間で運動率が低下したという結果となっています(2018年 関西アンドロロジーカンファレンスにて報告)。

精子にとって最適な温度は体温よりもやや低い36℃前後です。この温度を完璧に維持して持ち運ぶのは難しいですが、採取後すぐに容器をタオルにくるんだり、少しでも身体に近いところに入れて持ち運んだりするだけでも寒さによる運動率の低下を防げるのではないかと思います。
ちなみに、温度が高すぎるのも精子にとって良くないですので、寒いからといってカイロなどで温めたりはしないようにお願いいたします。

まだまだ寒い日が続きますが、精子だけでなく患者様自身も体調に気をつけてお過ごしください。