みなさん、こんにちは!
院長の園田です。
不妊治療が保険適用となり、約2か月が経過しました。
当初、不明な点も多く、私たちもバタバタし、待ち時間も長くなって皆さんにはご迷惑をお掛けしたかと思います。
スタッフも新しい業務に慣れてきたこともあり、
だいぶん落ち着きを取り戻してきたように思います。
3月末の準備期間は、何から手を付けたらよいのか途方に暮れたり、準備不足のことも多過ぎて夜中に急に思い出すかのようにパッと目が覚めたりすることもありました。
今はぐっすり眠れるようになり、肌のカサカサもましになったような気がします。
今回の保険適用に伴いカップルで来院される機会が増えたことは、男性、女性両方で治療を進めることが大事な不妊治療においては、良い方向に動いたことの一つではないかと思います。
ある女性の方が、
“これを機会に主人にも来てもらえるようになり心強い”ということを嬉しそうに話している姿を見て、
不安な気持ちを少しでも分け合える本当にいい機会になったと思いました。
お二人で分け合える気持ちは、不安だけではなく、喜びも分かち合えると思います。
喜びは二倍になるのかもしれませんね。
不妊治療と働くこと
今回のブログは、“不妊治療と働くこと“についてお話させていただきたいと思います。
先日、ある企業において、不妊治療と仕事の両立をテーマに、従業員の方にお話をさせていただく機会がありました。
参加してくださった従業員の方は、
①将来的に子どもを望む方、②既に妊活・不妊治療を行っている方、③経営側・マネージメント・周囲の方、
といろいろな立場の方がいらっしゃる中でのセミナーでした。
従業員が一体となって、
企業側が不妊治療における問題点を改善し、取り組んでいくことができるかについて、私は不妊治療専門医としての立場でお話しました。
不妊治療における問題点は3つの側面に分けられると思います。
“経済的側面”
“仕事的側面
”心理的側面“
の3つです。
経済的側面においては、
今回の不妊治療保険適用に伴い、大幅に改善され、治療を受けられる方の経済的負担が軽減されるようになりました。
実際に、人工授精まではしていたけど、経済的負担を考え体外受精に踏み込めなかったという方が今春、久しぶりに来院されたという方も多く見受けられます。
仕事的側面においては、
仕事をしながらの不妊治療をしていく上での困難さ、具体的には、突然の来院が必要になったり、予定通りにスケジュールが進まなかったりで、仕事との調整が難しくなることが起こってきます。
以前のブログ(治療と仕事の両立について)で取り上げたこともありましたが、当院でも多くの方が仕事をしながら不妊治療に取り組んでいます。
皆さん、有給や会社側のいろいろな制度を利用しながら、また周囲の方の理解を得るために努力をしながら、治療を頑張っていらっしゃいます。
働きやすい企業の環境改善が進み、治療を受けられる方のストレスが少しでも軽減される社会になってほしいと切に願います。
今回のようなセミナーを開催しよう、話を聞いてみようと思っていただける企業が増えてほしいなと思います。
また、基本的な仕事に対する考え方として、私は、仕事は楽しいものでないといけない、楽しいと思いながら仕事に取り組みたいと考えております。
不妊治療と仕事との調整には大きなストレスを感じると思いますが、一生懸命楽しそうに仕事に取り組む姿は、周囲の方は見ていると思います。
周囲が応援したくなるような良い働き方をしてほしいと思います。
元気な働くプレママ・ママを目指しましょう。
最後に心理的側面ですが、
不妊治療に取り組む過程で、いろいろな不安や自責の念であったり、負の考えに捕らわれたりすることは、本当に多いと思います。
また不妊治療は、終わりの見えない治療、ゴールの見えない治療と言われており、そのことで更にしんどくなるという状況をよく目にします。
しかし、不妊治療は決して終わりのない治療ではなく、また、何をゴールにするかは人それぞれだと思います。
不妊治療はいかなる治療も100%の妊娠率というものはありませんので、どのようなゴールを設定するにせよ、夫婦、カップルがいかに納得できたか、ここまで頑張ってきたと思えるかだと、たくさんの患者さんたちを見てきて思います。
それと!今回のセミナーで私も勉強し、とても驚いたことですが、
従業員の妊活、不妊治療による負担が大きいこと(退職してしまう、職場復帰できないetc)により発生する社会全体の経済損失はなんと4000億円と試算されているとのことです。
驚きます!
元気な働くプレママ・ママを応援する企業、もっともっと増えてほしいですね。
院長 園田桃代
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