今日も変わらず皆様の 大切なたまごの成長を見守っています

こんにちは培養室です。

4月に入り新年度が始まりました。
気が付けば、家の近所の桜は満開!

通勤の際は最寄り駅まで15分ほど歩いていますが、
この時期はわざわざ桜が咲いている
道を選んで歩くようにしています。

さて、
当院にタイムラプスインキュベーターが
導入されて、はや1年が経過しました。

タイムラプスについては
機器紹介~タイムラプスインキュベーター~
をご覧ください。

この1年、
皆様からお預かりした大切な受精卵を
タイムラプスで育てていますが、

タイムラプスから得られたデータをみると、
受精卵の成長の仕方にも個性があることが分かりました。

受精卵はもともと1個の細胞です。

細胞は細胞分裂をすることで
自分自身と同じ遺伝情報を持った細胞をもう1個作ります。

つまり、

細胞分裂によって
1個の細胞は2個に増え、
2個に増えた細胞が、
それぞれまた細胞分裂することで、

2個から4個、4個から8個へと
その数を増やしていきます。

ちなみに、受精卵の細胞のことを
「割球」といいます。

下の動画はその様子を
タイムラプスで撮影したものです。

これが受精卵の基本的な成長の様子です。

ところが、なかには1個の割球から
3個の割球に分裂するものや

せっかく細胞分裂したのに元に戻ろうとする
割球などもたまに見かけます。

残念ながら、こうした少し変わった
成長をした受精卵は胚盤胞へ
成長しにくいことが分かっています。

変わった成長をする原因は、
卵子や精子または受精卵の「質」によるもの
であると考えられています。

「質」についての関連記事です。
ぜひ、参考にしてみてください。
受精卵の質を左右するもの
良好な受精卵を得るために~精子の質へアプローチ~

我々培養士は、皆様に代わり
毎日受精卵の成長を見守り、
元気で健康な赤ちゃんが生まれる
可能性を秘めた受精卵を
移植の対象にしています。

卵子や精子、受精卵について
わからないことがございましたら、
お気軽に培養士にご質問ください。

最後に、
今回の話題には全く関係ないのですが、
偶然撮影された落ち着きのない
受精卵の動画をご覧ください。

もちろん、このあとちゃんと自分のお部屋に
戻ってもらいました笑

胚培養士 小林