みなさんこんにちは。
9月になってもまだまだ暑く寝苦しい日々が続きますね。
くれぐれも熱中症にならぬようお体に気を付けてお過ごし下さい。
今回は培養室から、男性外来の時に行っている「個別相談」についてお話しします。当院では毎月、男性外来の時に胚培養士がご希望の方に対して個別相談を行っています。精液検査の結果を直接聞きたい、治療に関する疑問や質問、ご相談、何でも結構です。ご利用の際は待合室のカウンター上に下記の用紙を配置してありますので、相談内容をご記入の上、受付へご提出下さい。診察の待ち時間または終了後に個別で対応させて頂きます。
そこで今回は、個別相談の時に頂いた質問2つをご紹介します。
Q. 精子の結果が悪かったのは何が原因ですか?改善しますか?
A. 精子の結果に影響する原因としては、先天性(染色体異常、遺伝子異常、原因不明など)と後天性(抗がん剤治療、放射線治療、精巣の損傷、病気、生活習慣の乱れ、ストレスなど)があります。また最近では、全ての男性に該当するとは言えませんが、35歳以上になると精子をつくる能力が低下し、精液量・精子数の減少、精子の質が低下することが分かってきています。当院では基本的な検査(血液検査、精液検査)から泌尿器科的な検査(超音波検査、触診、視診で精巣の位置や大きさ、精索静脈瘤の有無、精管に異常が無いか等)を行い、何等かの異常が見つかれば手術や薬で治療を行います。何も異常がない、原因不明の場合は生活リズムや食生活の見直し、漢方薬による治療で改善を目指します。
Q. AGA治療で男性型脱毛症薬を服用しているが、精子に影響はありますか?
A. 男性の生殖、精子の成熟に欠かせないのが男性ホルモンですが、男性ホルモンは薄毛との関係が深いホルモンとも言われています。ドラッグストア等で売っている市販の育毛剤については今のところ男性不妊との関連は指摘されていませんが、クリニックや病院で処方されている一部の男性型脱毛症薬(プロペシア、アボルブ等)は男性ホルモンを抑制する働きが強く、精子数や精液量の減少、ED、性欲減退といった副作用が報告されています。妊活中は服用を控えて頂くか、上記の副作用がないか確認して頂いた上での服用をお勧めします。
そして、最も多かった質問が「日常生活の中で気を付けること」についてです。こちらの内容は動画で詳しくご紹介しているので、視聴をご希望の方はこちらからお申し込み下さい。
実際に個別相談をご利用頂いた患者様からは、「インターネットで色々調べていたが直接聞くことが出来て良かった」「精液検査の結果を妻から聞いていたが、理解出来ていない部分もあり改めて聞くことが出来て良かった」「また分からないことがあれば聞きたいです」「気軽に聞くことが出来ました」等のお声を頂きました。
また最近では【培養士相談】という名前でオンラインでも個別相談を行っています。遠方の方、仕事上来院することが難しい方、ご夫婦で聞きたいという方は是非こちらもご検討下さい。
今後も引き続き個別相談を通して、患者さまが少しでも治療を安心して進めて頂けるような情報を提供出来ればと思っておりますので、お気軽にご相談下さい。
培養士 森中