プレコンセプションケア(preconception care)という言葉を聞いたことはないでしょうか?
プレコンセプションケアとは2006年にアメリカ疾病予防センター(CDC)により最初に提唱され、現在、日本でも少しずつ浸透してきている概念です。
プレとは“前”、コンセプションとは“受胎=妊娠”です。
すなわち、プレコンセプションケアとは、未来のママ・パパとなる人たちが、これからの妊娠に向け、未来の赤ちゃんのために、自分の生活や健康に向き合う取り組みです。
いつかは子供が欲しいと思っているけど、
- 今は仕事も忙しいからもうちょっと先かな…
- まだまだキャリアを積みたいし…
- もう少し自分の時間が大事だし…
- 子供をもつイメージがわかない…
- 結婚したばかりだし… etc.
具体的に、いつ子供を産んで自分が何歳になるまでに育て上げてというプランを建てることはとても難しいことです。
また、プランを建てられたとしても、そのとおりに進まないのが世の常であり、予定外の妊娠というサプライズも起こりうることです。
プランどおりであっても、サプライズであっても、いつ子供を授かっても心配のない健康状態を保つこと、自分の身体を知っておくことは、自分にとってもパートナーにとっても、大きな安心材料になると思います。
以前、このブログ内で卵の在庫について、お話させていただきました。
人間も他の動物と同じで、その生殖能力(妊娠する力)を持っている時期は限られています。
妊娠力=年齢といっても過言のないくらい、妊娠するには年齢は大きなファクターであり、それに抵抗することはできないものなのです。
当院で実際に不妊治療をされている方の言葉でよく耳にするのが、
もう少し早く治療を始めておけばよかった
年齢がこんなに妊娠に影響するとは思っていなかった
しかし、卵はもちろん、身体の状態が昔に戻ることはありませんので、今ある妊娠力、卵で勝負をするしかないのです。生殖医療の技術は発展し、いろいろな薬や治療技術があります。それらを駆使し、いかに今もっている妊娠力を引き出すかが、不妊治療では大事なことです。
そこに少しでも生殖能力についての知識を持っていること、プレコンセプションという概念を知っていることは、これからのライフプランを考えるうえで、とても力強い手助けになるのです。自分のために、パートナーのために、未来の赤ちゃんのために、少し戦略的になってみること。悪くないと思いますよ。
プレチェック外来では、あなたのその戦略への一歩を手助けします。
院長 園田桃代
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