培養士からお話しさせていただく際に、患者さまから体外受精の成功率に関する質問を受けることがあります。
正直なところ、患者さまそれぞれ個人差があり、やってみないとわからないことばかりであるため、我々からズバリと断言することは難しいです…😥
しかし、体外受精に進むにあたって、費用や治療期間のだいたいの目安は知っておきたいですよね。
治療を悩まれている方にとって、今後の治療を進めていく上で判断材料は少しでも多い方が良いかと思います。
そこで今回、当院にて初めての体外受精で妊娠に至った症例数を調べてみたので、説明していきたいと思います。
初めに、体外受精とは、採卵をして移植まで実施できてやっと妊娠の可能性がでてくる治療となります。そこで当院で移植まで実施できた方の割合を調べてみました。
年齢が上がるにつれて、移植できる割合が減っているのがわかります。
移植できなかった方の理由として、
全体的には胚の状態が悪く移植ができなかった割合が多く、
年齢が上がると、卵胞が発育しなかった、卵子が採れなかったという割合が増えていく傾向にありました。
その他にも例えば、、
・採卵当日に排卵してしまった
・卵巣の位置が悪く穿刺できなかった
・受精しなかった
このような理由で移植まで辿り着かず、途中で中止になってしまうこともあります。
さらに、移植まで実施できた方のうち、妊娠まで至った方の割合が下記のグラフになります。
初回の採卵で移植まで実施できれば、上記の妊娠率は期待できるかと思います。
また、年齢が上がるにつれて妊娠率が下がっているのが分かりますね。
つまり、年齢が上がると採卵回数も増えていくことが予測されます。
もちろん、その方の卵巣機能によって採れる卵子の個数も異なりますので、一概には言えません。
なぜなら、卵巣機能は患者様それぞれ個人差があり、周期ごとにも育ってくる卵子の数や質は変わってくるからです。
以前のブログで妊娠するために必要な卵子の個数についてのお話にもあったように、採卵数15-20個を目安にということと、今回の初めての採卵での妊娠率も踏まえて、今後の治療の判断材料にしていただければと思います。
あくまでも参考程度に!周りと比較せず自分のペースで治療を進めていきましょう!
最後に、日本生殖医学会の声明が発表されてから、今後どうしたらよいか悩まれている方は多いのではないでしょうか。
人工授精で何度かチャレンジしたけれど妊娠に至らない方、すでに体外受精で進まれている方、少しでも年齢が若い時期に受精卵(胚)を凍結しておくのも選択肢の一つかと思います。
コロナウイルスの関係で、ご夫婦が一緒にいる時間が増えたのではないでしょうか。
この機会に、今後のことをご夫婦でじっくりお話してみてはいかがですか。😄
お悩みの方は、いつでも我々スタッフがサポートさせていただきます!🙋
ナース面談、培養士外来等ぜひ活用してみてくださいね。
上記のグラフは当院HPの治療成績にも載せております。他のデータもあわせて、是非ご覧ください。
一日も早い終息を願って、皆様もお身体にお気をつけてお過ごしください。😌
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